グリーグ「ペール・ギュント」:GRIEG[PEER GYNT]

普段はそれ程クラシックは聴かないのですが、HR/HMのミュージシャンの中でも、

クラシックに影響を受けた人は沢山いて、自分の曲の中に好きなクラシックのフレーズを

少し取り入れたりしています。そんなミュージシャンのインタビューや音楽雑誌等で、曲に使

われたクラシックの曲の紹介されています。そのフレーズがカッコ良かったりしたので、クラ

シックを聴いてみようかと思ったのが、クラシックを聴き始めた不純な動機です。

今日ご紹介するのが、グリーグの劇付随音楽「ペール・ギュント」Op.23抜粋です。

ノルウェーの文豪「ヘンリク・イプセン」が描いた劇物語が「ペール・ギュント」と

いう題名なのです。この物語はというと、ノルウェーの山村で「ペール」という若者が母親

「オーゼ」と2人で暮らしていました。幼い頃父を亡くした「ペール」は、父親譲りの怠け癖

で誇大妄想癖がり、村人から爪弾きにされていました。そんなペールに心を寄せる「ソルヴェ

イグ」という少女がいながら他の娘「イングリッド」をさらい山の中へ逃げました。しかし飽

きっぽい性格のペールは、その娘を山の中に置き去りにし、冒険の旅に出ます。そこである山

中で一人の娘に出会い、娘の父の洞窟へ連れて行かれますが、実はその娘の父は魔王だったの

です。魔王の跡継ぎにさせられそうになり、人間でいられなくなるとびっくりしたペールはそ

こを逃げ出します。怒った魔王に殺されそうになりますが、遠くで朝を告げる鐘がなり、魔王

の洞窟は一瞬で消え去り、危うく難を逃れます。

一旦、故郷へ戻り「ソルヴェイグ」と暮らします。そこへ魔王の娘が子供を抱いて現われ、

この子供はペールの子供だと言います。びっくりしたペールはそこを飛び出し、母親「オー

ゼ」の元へ帰りますが、母は重い病気のかかっておりまもなく天に召されます。

再び、富と名声を求めて冒険の旅にで、大金持ちになりモロッコへやって来ますが、お人よし

のペールは詐欺師たちのカモになり、全財産を巻き上げられます。しかしペールは今度は

預言者になりすまし、巨万の富を得ますが、アラビアの奥地でベトウィン族の酋長の娘「アニ

トラ」の色香に迷い、たちまち無一文になります。

その後ペールは色々な事業に手を出し、最後はアメリカに渡り、カルフォルニアで金鉱を

掘り当て大金持ちになります。しかし年老いたペールは故郷の山河が恋しくなり、財宝を

山積みにしてノルウェーを目指しますが、皮肉にも故郷を目の前にして嵐に遭い、船は難破し

て財宝もろとも海に沈んでしまいます。

からくも一命を取りとめたペールは故郷の小さなう山小屋へ辿りつきます。そこには、すでに

白髪の老婆となった「ソルヴェイグ」が、今なお彼の帰りを待ちわびていました。彼女はペー

ルの過去を一切許し、「あなたは、わたしの一生を美しい歌にしてくれました」というと、

ペールは彼女のことをしっかりと抱きしめ、「お前の愛がわたしを救ってくれた」と叫んで、

その場に泣き崩れる。こうして、波乱万丈の人生に疲れ果てたペールは、ソルヴェイグの

膝を枕に、彼女の歌う子守唄を聞きながら安らかな死を迎えたのです。

という物語だそうです。この劇物語にイプセンから以来を受けて、劇音楽を付けたのが、

エドヴァルト・グリーグです。1843年に生まれた北欧ノルウェーを代表する作曲家です。

この音楽は26曲でできていますが、このCDでは20曲が収録されています。

特に有名な曲で、よくCMなどでも使われている曲が、第4幕第13曲の前奏曲(朝の気分)

でしょうか。この曲は、オムニバスのCDによく収録されていますので、ちょっと聴けば

「ああ、この曲か」と分かるはずです。

GRIEG
グリーグ:GRIEG(1843 – 1907)
ペール・ギュント、Op.23 ヘンリク・イプセンの戯曲への付随音楽
PEER GYNT、Op.23 Incidental music to play by Henrik Ibsen

サンフランシスコ交響楽団
SAN FRANCISCO SYMPHONY

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
conducted by Herbert Blomstedt

London Pocl-2466 1989

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